来月11日に県原子力防災訓練 大分へ海路避難
愛媛県は11日、四国電力伊方原発での重大事故を想定した県原子力防災訓練を、11月11日に実施すると発表した。伊方原発西側の住民が大分県に海路避難する訓練などに取り組む。
伊方原発は3号機が8月に再稼働し通常運転中。
訓練は、地震発生により伊方3号機の原子炉が自動停止した後、全交流電源の喪失や1次冷却材の漏えいで原子炉格納容器が破損。放射性物質の放出に伴う影響が周辺地域に生じたとの想定で展開する。
原発30キロ圏の県内7市町を中心とする全20市町や近隣の大分、山口両県、国の原子力規制委員会や内閣府などが参加する予定。
大分県への住民避難について愛媛県は、初めて実施した昨年11月の国の原子力総合防災訓練とは異なる着岸港や受け入れ市町村を設定し、新たな動線や避難者の受け入れ態勢を確認。大分県に配備した資機材を活用した緊急時通信連絡訓練も行う。
ほかの訓練項目は、緊急時モニタリング▽県オフサイトセンター(西予市)運営▽緊急被ばく医療活動▽要配慮者避難▽交通規制―など。
伊方3号機再稼働後の9月には、県と伊方町が原発西側の住民を対象に避難訓練を実施したが、台風接近の影響で船舶への乗船は中止された。